2023年3月期の業績概況

代表取締役社長<br/>木村 睦
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代表取締役社長
木村 睦

 2023年3月期の売上高は、宝酒造は焼酎、清酒等が減少しましたが、ソフトアルコール飲料や原料用アルコール等が増加し、増収となりました。宝酒造インターナショナルグループは、料飲店需要の好調や販売チャネルの多角化の進展で、増収となりました。タカラバイオグループは、試薬や遺伝子医療が増加し、特に抗原検査薬を含む新型コロナウイルス検査関連試薬の大幅伸長により増収となり、グループ全体の売上高は3,506億6,500万円(前期比16.5%増)となりました。
 利益面では、宝酒造は原材料や燃料等のコストアップを価格改定とコストダウン等で補い増益となり、宝酒造インターナショナルグループは、売上総利益の増加により増益となりました。一方、タカラバイオグループは、原価率の上昇と研究開発費等の増加により減益となり、グループ全体の営業利益は379億4,500万円(前期比12.5%減)、経常利益は387億600万円(前期比10.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は212億600万円(前期比2.1%増)となりました。

「宝グループ中期経営計画2025」の策定と2024年3月期の業績見通し

 当社は、2026年3月期(2025年度)を最終年度とする3年間の中期経営計画「宝グループ中期経営計画2025(以下、本中計)」を策定しました。2020年に6年間の長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th(以下、TGC100)」をスタートさせ、中期経営計画2022(2021年3月期~2023年3月期)において3ヵ年の取り組みを進めてきました。TGC100の総仕上げに向けて策定した本中計では「成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値を高める3年間」を経営方針として掲げ、社会課題の解決に資するバリューチェーンを強化しながら商品・サービスを通じた社会課題の解決と、長期的かつ持続的に成長原資を生み出す「稼ぐ力」の向上を統合した経営を推進していきます。これにより、グローバルかつサステナブルなビジネスモデルの確立と企業価値の向上を目指します。
 最終年度の定量目標は、連結売上高4,200億円以上、連結営業利益380億円以上、海外売上高比率60%以上(タカラバイオグループを除く海外売上高比率60%以上)、ROE9.0%以上、ROIC7.5%以上を目指します。
 本中計の初年度である2024年3月期の業績予想については、売上高は3,550億円(前期比1.2%増)、営業利益は263億円(前期比30.7%減)、経常利益は268億円(前期比30.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は150億円(前期比29.3%減)の計画です。初年度は減益となる見通しですが、本中計の推進により、2025年3月期以降、増益基調へと転換してまいります。

Visionの実現と企業価値向上に向けて

 当社グループでは、TGC100のVision(ありたい姿)を、「Smiles in Life ~笑顔は人生の宝~」とし、本中計で推進する内容と連動した表現へアップデートしました。「Smiles in Life」を、当社グループにおける最も重要なワードとして掲げ、笑顔は人生においてかけがえのない大切なものと定義し、世界の人々に和酒・日本食を通じて豊かな食生活をお届けするとともに、人々の健康的な暮らしに貢献することで、Visionの実現と企業価値の向上に努めてまいります。


 株主の皆様には、引き続き当社グループへの温かいご支援をたまわりますよう、なにとぞよろしくお願い申しあげます。

 

2023年6月

宝ホールディングス株式会社
代表取締役社長 木村 睦